要点:日本政府は,法整備等を通じて,企業等における女性管理職の比率を高める努力を長年にわたって継続している.しかしながら,目標とする数値(30%)にはまったく到達できていない.このような社会背景の中,本研究は潜在連合テストを用いて,就業前の学生が組織リーダーに対する男性優位の潜在的ステレオタイプを有していることを明らかにした.潜在的態度は,本人の自覚がないまま,様々な社会的な対象への好意的あるいは非好意的な感情・思考・行動を媒介する(Greenwald & Banaji,1995).それゆえ,この潜在的認知バイアスが,入社後の管理職への登用や昇進意欲における男女差に影響している可能性がある。