学文館医学生理学研究所

ホーム > 上武大学医学生理学研究所/研究・活動報告

研究・活動報告

2013/5/10

 

がんの新しい治療法および血管新生シグナルの
進化に関する原著論文の発表

(1)当研究所の澁谷正史所長は、東京大学先端科学研究所・大澤毅博士らとともに、進行がんにおけるがん細胞の低酸素・低栄養ストレス抵抗性獲得の機序にはDNA脱メチル化酵素JMJD1Aが深く関与すること、同酵素を標的とする新規がん治療が可能なことを明らかにし、米国の著名な学術誌Cancer Research に発表しました。これらの研究の主な内容は澁谷所長が東大医科研、東京医科歯科大学に在籍中に行われたものです。
論文名: Osawa T, Tsuchida R, Muramatsu M, Shimamura T, Wang F, Suehiro JI, Kanki Y, Wada Y, Yuasa Y, Aburatani H, Miyano S, Minami T, Kodama T, Shibuya M. Inhibition of histone demethylase JMJD1A improves anti-angiogenic therapy and reduces tumor associated macrophages. Cancer Res. 2013, in press.

(2)ヒトを含む脊椎動物の血管・リンパ管新生に必須のシグナル伝達系であるVEGF(血管内皮増殖因子)-VEGF受容体系が、無脊椎動物のレベルでどのように進化してきたかについては、まだ十分理解が進んでいません。脊椎動物に最も近い無脊椎動物は“ホヤ”の類と考えられ、VEGF受容体遺伝子が一部単離されています。当研究所の澁谷正史所長は、日本で広く食用に供されている“マボヤ”から、VEGF受容体 (VEGFR)遺伝子の単離に初めて成功し、電子ジャーナルIJMS (International Journal of Molecular Science)に報告しました。その遺伝子発現は心臓や血管系を多く含む組織に高いことから、マボヤの循環器系とVEGFRの密接な関係が示唆されます。なお、本研究の主な部分は澁谷所長が東大医科研在籍中に行われたものです。
論文名: Samarghandian S, Shibuya M. Vascular Endothelial Growth Factor Receptor Family in Ascidians, Halocynthia roretzi (Sea Squirt). Its High Expression in Circulatory System-Containing Tissues. Int. J. Mol. Sci. 2013, 14, 1-x.

(3)中国・北京大学・羅金才教授の研究グループは、澁谷正史所長らとの共同研究により、血管内皮細胞からのVEGF受容体2シグナルを介したWeibel-Palade小体の放出には張力が重要な役割を果たすことを明らかにし、欧文原著論文を発表しました。
論文名: Xiong Y, Hu Z, Han X, Jiang B, Zhang R, Zhang X, Lu Y, Geng C, Li W, He Y, Huo Y, Shibuya M, Luo J. Hypertensive stretch regulates endothelial exocytosis of Weibel-Palade bodies through VEGF receptor 2 signaling pathways. Cell Res. 2013 Apr 23. doi: 10.1038/cr.2013.56. [Epub ahead of print]


トップへ戻る